2号が飛べるのはスペースシャトルと同じ理屈 打ち上げを見て解けた謎
2号のこんなに小さい羽(主翼)じゃ、いくら何でも飛べないんじゃないの?
サンダーバードを見ていた子どもたちの多くが、私と同じように思った事だろう。大学生の時、フロリダ州ケープカナベラルのケネディ宇宙センターまでスペースシャトルの打ち上げを見に行って、その疑問が解けた。
地球に戻ってくるスペースシャトルは丸みを帯びていて、なんとなくサンダーバード2号に似ていなくもない気はしないだろうか。シャトルは大気圏に突入した後、推力なしで飛行(スキージャンプの飛行と同じで実際は落下)し、センターの滑走路に着陸する。
シャトルにも申し訳程度の羽しか付いていない。センター員が解説してくれた。シャトルはその丸っこい胴体自体からも揚力を得ていると。カマボコのように、下が平らで上が丸く膨らんでいる形の物が空気の中を進むと、上側の空気が下側より薄くなり、圧力差が生じて上向きの力がかかる。これが飛行機を宙に浮かせている揚力だ。大ざっぱに言うと、揚力は主翼が長くて広いほど大きく、また速度が速いほど大きくなる。そこで、サンダーバード1号や戦闘機F14トムキャットなどは低速の時は主翼を広げ、高速になったらたたむ可変翼になっている。広い主翼は空気抵抗が大きく、高速で飛ぶ邪魔になるからだ。
シャトルのように高速なら胴体にかかる揚力も大きくなる。シャトルの着陸速度は時速550kmほど。大型旅客機は時速250km程度だから倍以上。地面に車輪が着く瞬間の接地速度は時速350km。長い滑走路を使い、最後は巨大なパラシュートを開いてブレーキをかける。
サンダーバード2号の最高速度はマッハ6.5ぐらい。ロケット飛行機X-15が打ち立てた世界最高記録とほぼ同じ。巡航できる航空機ではロッキードSR-71のマッハ2.2が最高。サンダーバード2号の速度なら胴体にかかる揚力で十分なのだろう。
毎週月曜更新だが、今週は7巻を買いに行けなかったので、7巻の組み立ては明日